2023年10月、新井プリュレが設立。
劇団トマソンとは、「観た人をおしゃべりにする」をモットーに活動する団体である。
「トマソン」とは、美術家の赤瀬川源平が唱えた、「超芸術トマソン」に由来する。
そして超芸術トマソンとは、上述 の赤瀬川源平氏の著作「超芸術トマソン」で下記のような説明がされている。
「芸術とは芸術家が芸術だと思って作るものですが、この超芸術というものは、超芸術家が、超芸術だとも何とも知らずに無意識に作るものであります。だから超芸術にはアシスタントはいても作者はいない。ただそこに超芸術を発見する者だけがいるのです。」
「トマソン」の良さは、鑑賞者がその対象を観測しようとしまいと、それ自体が存在することである。これはかのサルトルが述べた、「実存は本質に先立つ」を完全に実践している。そして人々はトマソンについて語ろうとするとき、多弁にならざるを得ない。なぜならトマソンは(前期)ウィトゲンシュタインの言う、「世界の外側に」意味があることが明白なものだからだ。自分の言語ゲームのルールを確認するため、もしくは他人の言語ゲームに参加するために、観客はトマソンについて言葉を尽くす必要がある。
トマソンの存在それ自体はシュールなものである。ナンセンスでデカダンスでアンデパンダンスである。劇団トマソンはそのような作品を手掛ける。そして観客の口が乾くまで作品の感想・考察・解釈を引き出すのが目的である。